官能小説-兄と妹の二人家族

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官能小説-兄と妹の二人家族-p2

翌朝、8時が過ぎても美華はダイニングに下りて来なかった。

〔今日は学校を休む気なんだろう〕

陽一は昨日あんなに打ちひしがれていた美華を思うと、学校に行く気力が沸いてこないのだろうと思った。

父と母が入院している病院へ連れて行こうと、2階の美華の部屋をノックした。暫く間をおいて、

「はい」

美華が消え入るような小さな返事を返した。ドアを開けると、美華は昨夜と同じ格好で机にうつ伏していた。

昨日、雄一が持ってきたミルクにも全く手をつけていなかった。

「美華は寝なかったの?」

「うん。お父さんとお母さんの事が心配で・・・」

美華はゆっくりと陽一の方に振り返って弱々しく答えた。

「ミルクも飲めなかったのか・・・?」
「うん・・・お兄ちゃん、ごめん・・・折角持って来てくれたのに・・・」
「さあ、下へ下りて何か少し食べよう・・・そして病院へ行こう」

陽一が先にダイニングへ下り、コーヒーを温めていると美華が気だるそうな足取りで下りてきた。

「美華。パンにする?・・・それともご飯が良い?」
「食欲が全然ないの・・・」

美華は右手を左右に軽く振った。

「それじゃ・・オレンジジュースだけでも飲む?」

それにも美華は手を振って断った。

〔少し時間が経てば食欲も戻ってくるだろ〕

陽一は無理強いをせず、後片付けをして美華を連れて病院へ向った。

父と母の病室へ一人の看護士が駆け込み、入れ違うように別の看護士が部屋を小走りで出て行った。

昨日より緊張した雰囲気に陽一も美華も様態は悪化しているのだと思わざるを得なかった。

医者と看護士が足早に病室に駆け込み、母の容態をチェックした医者の顔が曇った。

窓越しに様子をみていた陽一も美華も、最悪の事態が起りつつあることを悟った。そして二人の心臓は経験した事のないような早鐘を打ち始めた。

暫く医療機器を眺めていた医者がポケットから小さい懐中電灯を取り出し、母の目を開けて光を当てた。そして首を軽く左右に振った。

「イヤだー」

美華が大きな声で叫んだ。絶叫に近かった。あまりにも大きい声に病室の中にいる看護士が美華の方へ振り返った。

医者が病室から出てきて

「残念です。」

と陽一と美華に沈んだ声で告げた。

美華の大きな泣き声が辺りかまわず響き亘った。

陽一は左手を美華の肩に回し、右手で美華の頭を自分の胸に押し付けて優しく抱いた。

陽一の目からも大粒の涙が滴り落ち、美華の髪を濡らした。

医者は隣の部屋の父の病室に入って行った。

聴診器を父の胸に当てながら機器類を見つめた。

医者は静かに病室を出たが、曇った顔で陽一と美華に軽い会釈をして去って行った。

〔まだ父は生きているのだ〕
〔どうか、助かって欲しい。頑張って欲しい。〕

陽一と美華は父が快復する事に一縷の望みをかけて祈った。

が、その願いは叶わなかった。

母の死から約一時間後に父も旅立ってしまった。

母の死以後激しく泣き続けていた美華は放心状態になり、虚ろな目は空を彷徨っていた。

〔もう泣く気力も無くなったのか〕

陽一は美華を抱きしめ、美華の髪を愛しく撫で、美華の苦しみと悲しみが少しで早く軽減される事を願った。

〔とうとう二人だけになってしまった〕

陽一は猛烈にこみ上げてくる寂寥感と戦いながら、美華の悲しみを少しでも和らげてやりたい、苦しみのどん底に突き落とされている美華をできるだけ早く救い上げてやりたい、と兄としての自覚を再認識していた。

葬儀の日に、美華が火葬場に行かないと言い出した。
父や母が焼かれる現場には絶対に行かないと言い張り、自分の部屋に閉じこもって出て来なかった。

仕方なく美華を部屋に残し、陽一は火葬場に向わざるを得なかった。

相変わらず、美華は自分の部屋に閉じこもったままであった。一切食事をしていないことも大きな心配だった。


父母の葬儀から、追突して来たトラックの所属している運送会社の保障問題の交渉、父母が陽一を受取人として加入していた生命保険会社への手続き、区役所や銀行への届けと手続き、および相続等のややこしい手続きは全て父の元で働いていた弁護士が行ってくれた。

陽一は弁護士の優れた能力に感心した、自分には全く手に負えないと思えるいろいろな届けや交渉を手際よくこなしてくれた。

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